【マイナビベガルタ仙台レディース】9年目のマイナビが始動!「Move Forward 前進」~2020シーズン始動リポート
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2020.01.30
吐く息は白いが、仲間との再会に笑顔があふれる練習初日だった。1月21日、時おり小雪も舞う冷え込みの厳しいマイナビ泉パークタウンサッカー場に26人の選手が集まった。7人の新たな仲間を迎えての初練習は20分のランニングから始まり、真新しい公式球を使用してのボールトレーニングでは一人一人が丁寧にボールタッチを確認した。最後はゴールを4か所に設置した9対9のミニゲームで約1時間のトレーニングを締めくくった。
新加入選手の一人、韓国の水原WFCから移籍したFW池尻茉由選手は、「新しい環境で、自分がより成長できるところを選んだ。どれだけ自分が成長できるか楽しみです」と抱負を述べた。ストライカーとして求められる役割も理解している。「FWとして点を取ることは当たり前ですし、少しでもいい準備をして、スピードや左足のシュートなどチームのためにできることをしていきたい」と自分の良さを表現するつもりだ。
昨年12月には初めて日本女子代表「なでしこジャパン」にも選出された。東京オリンピックへの思いについて「限られた人数の中で、厳しいメンバー争いになる。今のままではメンバーに入ることはできないと思うので、日本でしっかり結果を残してアピールしたい」と意気込んだ。
昨年からマイナビに在籍するGK池尻凪沙選手は双子の姉。ポジションも性格も異なる二卵性双生児だ。二人が同じチームでプレーするのは、日ノ本学園高等学校に通っていた2014年以来のこと。姉妹同時に公式戦のピッチに立つ日を目指し、厳しく自分を磨き上げる。
初日の練習を終えた辛島啓珠監督は「新しい選手を迎えて昨年とは違う雰囲気と色が出ている。これからしっかりやっていこうという気持ちで選手たちもやってくれた」と満足の表情を見せた。就任2年目のシーズン、求められるのは昨年以上の結果だ。「上位を狙っていきたいですし、来年のプロ化も見据えて、いい結果を出していけたらと思う」と、新シーズンの先にあるチームの未来にも目を向ける。26日からは鹿児島キャンプも始まる。「(チームの立ち上げ)初期の練習なので身体づくりという狙いが大きいが、個々のスキルアップ、フィジカルのベースをしっかり上げていけたら」とも。
暖かな九州の地で、一年間をタフに戦い抜く身体を作るとともに、新たな仲間と互いに理解を深めていく。遂に2020年のマイナビが動き出した。
そして1月24日は、大崎八幡宮での必勝祈願を行った。選手を代表して玉串を捧げたMF安本紗和子選手は「シーズンが始まったなという思い」と表情を引き締めた。「(一昨年、昨年と)2年連続で残留争いし、とても苦しい試合が続いた。今年こそ上位に食い込めるような成績を残したい。日々の練習から選手同士切磋琢磨しながらやっていきたい」と新シーズンへの決意を新たにした。
必勝祈願後には、辛島監督から新シーズンのスローガンも発表された。「Move Forward 前進」この言葉を自ら考えたという辛島監督は「『より前進する』というところでチームの成績もそうですが、個人も積み重ねていって昨年よりもさらに成長していきたいです。プレーも、より前への意識を持ってやりたい」とスローガンに込められた思いを明かした。
「(就任2年目で)選手の特徴も把握していますし、自分のやりたいことも選手が理解してくれていると思う。勝ち点を積み重ねていくことも目標としながら、試合ではバランスのいいサッカーを目指していきたい」
9年目のシーズンを迎えたマイナビがより高みを目指す。勝利を目指して、力強く前進していく。