4連勝でプリンスリーグ東北前半戦折り返し!たくましさを増したベガルタ仙台ユース

 「高円宮杯JFA U-18サッカープリンスリーグ2022東北」、今シーズンは無事4月に開幕を迎え、ベガルタ仙台ユースはいくつかコロナ禍の影響で延期となった試合はあったものの、前半戦で6試合を消化して中断期間に入った。
 4月10日、開幕戦となった第2節聖和学園高戦は、前半の立ち上がりにMF高橋櫂(3年)のロングフィードを受けたトップ2種登録選手DF山田泰樹(3年)のクロスからFW小野獅道(3年)がゴールを決め幸先良く先制したが、前半のうちに追いつかれた。しかし後半の立ち上がりにも今度は高橋のロングフィードを受けた山田が自分でゴールを決めて再度突き放す。キャンプや練習でトップチームと共に練習を積んできた山田が存在感を見せつけた。しかし終盤に追いつかれて2-2の引き分けに終わる。4月16日の第3節青森山田高セカンド戦も後半に先制を許し、試合終盤MF松本康汰(2年)のゴールで追いつくも、アディショナルタイムに再び突き放され1-2で敗れた。開幕2戦勝利が無く、苦しいスタートとなった。
 しかしここから選手たちは奮起した。4月29日第5節モンテディオ山形ユース戦は後半にFW中田有祐(3年)と小野がゴールを挙げて2-0と完勝。ここから快進撃が始まる。5月3日第6節尚志高戦は、DF陣が90分間踏ん張りを見せ、後半開始早々中田有の挙げたゴールによるリードを守り切り、1-0で勝利した。5月14日第8節ブラウブリッツ秋田U-18戦も2種登録選手MF小林亮太(3年)のゴールで1-0で勝利。5月22日第1節帝京安積高戦は前半0-2でリードされるも、後半投入された松本康が2ゴール1アシストであっという間に逆転。5-2で勝利し、4連勝を飾った。

 粘り強く守り続けたり、リードされてもひっくり返せたり、今シーズンたくましい戦いを見せているのには理由がある。まずよく声が出ている。キャプテンDF阿部駿也(3年)をはじめ、中田有なども積極的にチームを鼓舞する声を出している。阿部は「一つの勝ちを取るためには、全力で全員が必死で戦わないといけないと、みんな分かっています」と声の大切さを語り、中田有も「昨年も公式戦メンバーに入っていた選手が多いのですが、昨年の反省もあって、勢いと雰囲気は練習から常に言い続けています。一人一人自覚を持って、出ている人、出ていない人スタッフ含めて全員が雰囲気づくりを意識していますので、今年は一体感のあるチームになってきていると思います」と声が一体感を生んでいると手応えを語っている。
 そして帝京安積高戦逆転勝利に貢献した松本康は「昨年からの反省で、しっかり勝ちきれるように練習から細かいところをやっています。今日も負けている状況でしたがひっくり返せて良かったです」とさまざまなシチュエーションを想定し、細部にこだわった練習が自信を生んでいるという。
 木谷公亮監督は「前半から良い戦いをできない可能性もあるので、90分をコントロールして勝てば良いと思っています」と語る。どういう状況になっても90分でしっかり勝ちきることを選手にイメージさせていることが、良い効果を生んでいる。声に関しても「持ち味はそこだと言っています」と、今シーズンの選手たちの個性をうまく引き出している。
 プリンスリーグ東北中断期間中は夏に行われる日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会の東北予選となる、東北クラブユースサッカー選手権(U-18)大会に臨む。たくましさを増している選手たちが、全国大会でどれだけ力を発揮するか大いに期待したい。

(by 小林健志)