【ジュニア】チビリンピック2024JA全農杯全国小学生選抜サッカー決勝大会、3大会ぶり全国ベスト8進出

初日2連勝でグループリーグ突破

 ベガルタ仙台ジュニアは神奈川県横浜市で5月3~5日に行われた「チビリンピック2024JA全農杯全国小学生選抜サッカー決勝大会」に東北第1代表として、5大会連続で出場した。この大会は8人制12分×3ピリオド制で、多くの選手に公式戦出場を経験させるため、第1ピリオドと第2ピリオドで全選手を入れ替えるレギュレーションで行われる。ベガルタ仙台ジュニアは6年生が7人のため、4~5年生もメンバーに加わり、全国強豪の厳しいプレッシャーを受けながら奮闘した。
 5月3日初日の初戦は岡山県倉敷市のFeliazzurro FCと対戦。初戦の緊張もあって、第1、第2ピリオドは0-0で進んだが、第3ピリオドで先制ゴールを決めたのは2人体制キャプテンの1人庄司瑞人(6年)。「1Pと2P点が入りませんでしたが、3Pは最後まで諦めずにみんなでがんばって点を決めて勝ったのでうれしかったです」と諦めずに攻めた結果が実った。千葉碧優斗(6年)もゴールを決めて2-0で勝利した。
 続く2戦目はツエーゲン金沢U-12と対戦。第1ピリオドは浅井桐哉(6年)の突破から西城那々斗(5年)がゴールを決めて先制したが、直後に失点し1-1。第2ピリオドは皆川大凱(5年)のゴールで再び勝ち越し2-1とした。第3ピリオドはピンチもあったが、もう1人のキャプテンGK佐藤健(6年)が奮闘を見せ失点を許さなかった。このまま2-1で勝利し2連勝し、この時点でグループリーグ突破を決めた。

(キャプテン庄司瑞人)

関東の強豪2チームとの対戦で貴重な経験

 2日目午前はグループリーグ最終戦となる鹿島アントラーズつくばジュニア戦。第1ピリオドは体格に勝る相手の攻撃を粘り強く耐えて0-0で抑えたが、第2ピリオドで3失点を喫してしまう。第3ピリオドいくつか決定機もつくったが、シュートを決めきれず0-3で試合終了し、2位でのグループリーグ突破を決めた。
 午後に行われた準々決勝は、結果的に今大会2年連続優勝した埼玉県のレジスタFCとの対戦。技術もフィジカルもある相手に対し、奮闘を見せたが、第1ピリオドに失点。しかし第2ピリオドの終盤、相手のわずかな隙を突いたのは鈴木仁(6年)だった。思い切って相手陣内にドリブルで切れ込んで放ったシュートがゴールネットを揺らし、1-1の同点とする。第3ピリオドで逆転を狙ったが、コーナーキックで失点。必死の攻撃もあと一歩でゴールはならず、1-2で惜敗。3大会ぶりの全国ベスト8で大会を終えた。
 関東の強豪に勝つことはできなかったが、本気の勝負を2試合経験することができたのは大きかった。キャプテンの1人庄司は「(相手は)すごく強いと思っていましたが、意外とみんなできたところがあったのでうれしかったです。関東のチーム相手でも戦えていたと思います」と収穫を語り、もう1人のキャプテン佐藤は「パワー、フィジカル、スピードが自分たちと違って、身長も高いので、コーナーキックで決められたりして、自分たちのできないところが見つかりました」と課題を語った。強いチームに本気で戦わなければ見えてこない収穫と課題を体感できたことは、非常に意義深いことだ。

(キャプテン佐藤健)

冬の全日本U-12に向けてさらなる成長を図る

 永井篤志監督は大会を振り返って、「ジュニア監督に就任して3年連続この大会に出場して、過去2年はグループリーグ敗退でした。是が非でも決勝トーナメントに行きたいと思っていたので、2勝して決勝トーナメントに行けて良かったです」とグループリーグ突破を達成できたことを喜んでいた。
 そして、関東の強豪2チームと戦えたこともプラスに捉えていた。「トップクラスのチームとの試合を経験できて、成長のためになりました。もう少しやれば倒せるのではないか、という気持ちになってくれています。攻守の切り替えのところは十分通用したと思います。相手のプレッシャーが来てもボールを外せる、剥がせることが多かったです」とこうした強豪相手に良いプレーが出せていた選手たちを評価した。
 その一方で「相手が来てもボールを握れる技術を磨く必要があります。いつものレベルでやっていたらボールを失う、引っかかるということを体験できました。また、判断スピードが遅いとすぐ囲まれます。そこの部分をやらないと全国で勝てません。まだまだ成長できます」と課題を挙げた上で、さらなる成長を促そうとしていた。

(永井篤志監督)

 また、4~5年生も奮闘を見せたが、「試練だったと思います。トップクラスの6年生相手なのでフィジカルは劣りましたが、それなりにやってくれました。これが普通なんだと思ってほしいですし、6年生に近づこうと良い循環になってほしいいです」と上の学年のスピードやフィジカルを体感したことを今後に生かすことを期待していた。
 キャプテンの1人佐藤は「体力、フィジカル、スピードを上げて、みんなで力を合わせて戦えるチームになっていきたいと思います」、もう1人の庄司は「チームの練習の強度をもっと上げて、チームをレベルアップさせて、学年関係無くみんなでがんばれるチームにしたいです」と今後への抱負を述べた。
 12月に行われる「JFA全日本U-12サッカー選手権大会」出場、そして好成績を狙うベガルタ仙台ジュニア。このゴールデンウィークでのすばらしい経験を糧として、成長目指して日々の練習に取り組む。

(ゴールを喜ぶ選手たち)

(by 小林健志)