粘り強い戦いでプリンスリーグ東北で激しい上位争いに加わるベガルタ仙台ユース。リーグ戦8戦負け無しで夏の全国大会へ

 4月から「高円宮杯JFA U-18サッカープリンスリーグ2022東北」で戦うベガルタ仙台ユース。初戦の第2節聖和学園高戦は2-2で引き分け、続く第3節青森山田高セカンド戦は1-2で敗れるなど序盤は苦しんだが、その後チームは快進撃を見せる。
 4月29日の第5節モンテディオ山形ユース戦に2-0で勝利すると、第6節尚志高戦で1-0、第8節ブラウブリッツ秋田U-18戦で1-0、第1節帝京安積高戦で5-2、第9節盛岡商高戦で3-1、第10節帝京安積高戦で3-2、第11節聖和学園高戦で2-1と7連勝を達成した。7月16日には延期となっていた第4節ノースアジア大明桜高戦が行われ、終盤まで0-1とリードを許していたが、アディショナルタイムの同点ゴールで1-1の引き分けに終わり、連勝は7で止まってしまったが、8戦負け無しと好調を維持している。
 スコアを見ると、点差をつけて勝っている試合もあるが、1点差勝負をものにした試合が4試合もあり、粘り強さ、勝負強さが際立っている。常に大きな声を出し、チームを鼓舞し続けているキャプテンのDF阿部駿也(3年)は「一人一人がハードワークしながら、勝ちたい気持ちを見せることを日頃からやっている」と好調の要因を語る。
 また、トップチーム2種登録選手のDF山田泰樹(3年)とMF小林亮太(3年)はいずれも選手たち自身で掲げた目標のことを口にした。山田は「自分たちで『プリンスリーグ東北優勝、プレミアリーグ参入』という目標をつくったのですが、ひとりひとりがその目標への気持ちを強く持っています。あと、一戦必勝と監督からも言われていて、ひとりひとりの気持ちが勝利につながっていると思います」と語り、小林も「今年自分たちは『プリンスリーグ東北優勝、プレミアリーグ参入』を目標として、ピッチ外でも全員が意識高く試合のことを考えてやれていますので、そこが連勝につながっていると思います」と語るなど、目標である「プリンスリーグ東北優勝・プレミアリーグ参入」への強い思いが結果に表れている。
 木谷公亮監督は「一つ一つ一戦必勝でやりながら、経験した部分を次の試合で生かすという連続がしっかりできています。しっかりチームで戦えていますし、点を取るところでも取れています」と、一戦必勝の気持ちで臨み、課題を次の試合で生かすサイクルができているのが大きいという。

 プリンスリーグ東北はここで中断期間に入り、7月24日からは群馬県前橋市などで行われる「第46回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会」に挑む。グループステージは24日プレミアリーグWEST2位のジュビロ磐田U-18、25日プレミアリーグEAST5位のFC東京U-18、27日年代別代表選手も在籍するロアッソ熊本ユースと対戦する。いずれも強豪チームであり、非常に厳しい戦いが予想されるが、木谷監督は「自分たちがやることは変えないし、変えられないと思います。どのくらい自分たちが主導権を取れるのかトライしたいです。昨年は守らされて前に出て行けなかったので、しっかりトライしていけるような試合をしたいです」とここまで積み上げてきた丁寧なビルドアップをベースとした攻撃を見せたいという。山田も「自分たちのサッカーはポゼッションで、しっかり下からつないでいきます。日頃から質と強度を高めようと練習からやっています。強い相手にもそれができないといけないので、練習から高めていきたいです」と積み上げてきたサッカーの質をより高めて、強敵にぶつかっていきたいという。
 そしてプリンスリーグ東北で見せられている粘り強さ、勝負強さも見せていきたい。小林は「まずは自分たちの走力球際切り替えのところをしっかりやって、勝負強く勝ち切れたら良いと思います」、キャプテン阿部も「チャレンジャーの気持ちを持って、泥臭く粘り強くやりながら、自分たちのサッカーをしていければ良いかな、と思います」と力強く意気込みを語った。プリンスリーグ東北8戦負け無しの良い流れを生かして、全国大会でも躍進する姿を見せたい。

(by 小林健志)