【ユース】全員の力を結集し、いざ第48回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会へ

準々決勝に進めるのはわずか1チーム!強豪揃いのグループ突破を狙う

 7月22日より行われる「第48回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会。ベガルタ仙台ユースは東北第3代表として20年連続27回目の出場となる。今シーズンからグループステージと準々決勝は全国4会場での分散開催となり、ベガルタ仙台ユースは宮崎県宮崎市のアミノバイタルトレーニングセンターで戦うこととなった。そしてここ数年の猛暑を考慮し、試合は全て夕方、夜に行われる。また、大会日程が短縮されラウンド16が廃止されて、これまでグループステージは2位以上で突破できたが、1位のチームのみが準々決勝に進めるレギュレーションとなったため、グループステージ突破はこれまでよりも狭き門となる。準決勝・決勝は東京都の味の素フィールド西が丘で行われる。
 グループステージを突破するためには強豪を倒さねばならない。初日7月22日は、壱岐友輔前監督がアカデミーヘッドオブコーチングを務め、プリンスリーグ九州首位のアビスパ福岡U-18と対戦。翌23日はプレミアリーグEAST5位の柏レイソルU-18と対戦。そして25日にプリンスリーグ関東1部2位の横浜F・マリノスユースと対戦する。対戦する3チームは全て強豪だが、Dグループ首位通過を目指し、全力でぶつかっていく。

開幕10戦無敗とリーグ戦は好調

 今シーズンのチームは春から好調を維持し、「高円宮杯JFA U-18サッカープリンスリーグ2024東北」では開幕から10試合無敗だった。7月13日の第11節ブラウブリッツ秋田U-18戦で初黒星を喫したとはいえ、11試合を終えて首位を走っており、ここ数年では最も好調と言って良いだろう。
 チームの中心はキャプテンのMF横山颯大(3年)。活動量が豊富で長短の正確なパスから決定機をつくり出すボランチ、トップ下を務める選手で、プリンスリーグ東北でも多くの決定機を演出している。
 また、両サイドバックDF門脇康太(3年)、DF古川柊斗(2年)はいずれもクロスを上げるだけでなく、カットインしてシュートを狙える選手たち。「点の取れるサイドバック」は仙台トップチームの代名詞でもあり、ユースでもそうした選手が育ってきている。
 攻撃陣は主に右サイドハーフを務めるFW櫻田彪仁(3年)の馬力のあるドリブル突破と、MF浅尾涼太朗(2年)のテクニカルなドリブル突破が持ち味。FWはこのところリーグ戦出場が増え、ゴールも増えてきたFWピドゥ大樹(2年)や、推進力のある突破と強引にシュートまで持って行く力のあるFW古屋歩夢(2年)など2年生FWが成長を見せている。

(キャプテンMF横山颯大(3年))

個々の成長をチームの勝利につなげたい

 木谷公亮監督は今大会に向けて「個々でしっかり成長ができているので、成長したところをチームのためにどう出すかが大事だと思います。チームの一員としてどう関われるかという部分ができてくれば十分戦えるチームなのかなと思います」とチーム一丸となって戦う重要性を語る。「自分たちの戦い方を全国でもやりたいと思っています。全国だから守りに入って手堅く、引いて守るだけではなく、しっかりボールを握って自分たちのサッカーで真っ向勝負できるように、というのはここ3年半やってきていますので、それをアビスパにもレイソルにもマリノスにも出せるようにならないといけないと思います」とあくまで自分たちが主導権を握るサッカーを全国大会でも展開していきたいという。
 キャプテン横山(颯)は「自分たちのやるべきこと、自分たちのサッカーをやれば全然戦える相手だと思っています。全国大会に向けて全員で良い準備ができたら、と思います」と勝ち上がりに自信を見せる。またドリブラーの浅尾は「自分たちのサッカーを出して、自分個人の中ではどこまでドリブルが全国で通用するか試してみたいです。うまく点を取って、全国に名をとどろかせたいです」と自身のドリブルを生かして全国の舞台で活躍しようと意気込んでいる。
 この大会は例年特設サイトでのインターネット配信があるが、今年は19:00キックオフということで、サポーターにも見やすい時間となる。横山(颯)は「自分たちのアグレッシブなサッカーだったり、攻撃の面で面白い崩しだったり、チーム全員で戦うところが見どころなので、ぜひ配信を見ていただいて、応援してもらえればと思います」、浅尾も「1試合1試合全部全力で戦うので、最後まで楽しんで見てもらえるようにがんばります」と遠く仙台から配信を見てサポーターの応援も、この厳しい戦いを勝ち抜くパワーにつなげようとしている。「見ている人がグッとくるような試合をしようと言っているので、遠いですけど良いニュースを届けられるようにしたいです」と木谷監督も強く意気込む。
 プリンスリーグ東北で首位に立つベガルタ仙台ユースは、果たして全国でどんな戦いが繰り広げるのか。ぜひインターネット配信などで熱い声援を送ってもらいたい。

(ゴールを決めて喜ぶMF浅尾涼太朗(2年))

(by 小林健志)